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南房総市公民館 ニュース

2011年2月24日
生涯学習活動推進講座(第2回)
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「あみだくじ」の関係:地域の活動は、直線的ではない。方向がズレても協力者(新たな線)により成功へ導く。

生涯学習活動推進講座 第2回は、地域で実際に行動を起こすにはどうしたら良いか、仲間づくりや実践の第一歩について考えました。

地域とは何か-その特徴について笹井先生の講義を受けました。
キーワードは4つ。
①地域とは「生活」の場である。
 無縁社会の問題が取り沙汰されている現代においても、生活は、一人だけでは完結しない、互いに協力し合って成り立っている。地域には、そこに暮らす人々の生活の営みがあり、他の人と良い関係を作り、互いに支え合う必要が生じている。

②地域とは「現実」そのものである。
 非日常世界は、身近にたくさんある。情報化社会において、子供たちは、携帯電話で、テレビ、メール、インターネットなど個人で楽しみ、パーソナル化が進んでいるが、仮想世界である。家族は、今子どもが何をしているか、わからない。子どもの成長には、悪影響を及ぼしかねない。
 一方、地域で、皆が集まって一緒に楽しむことは前述の楽しみとは、本質が違う。対面(フェイス・トゥー・フェイス)の人間関係があり、現実そのものである。

③地域には「多様な文化」がある。
 地域には、住民の意識や行動の積み重ねにより生まれた文化がある。しかし、文化は、人の移動などにより、異質な考え方が入り、緊張関係から、より良い形が付加されるなど、常に変容するものである。異質な価値が共存することが前提にある。

④地域とは「関係性=人間関係のかたまり」
 地域と聞くと、エリアや区域などを連想するが、本質的には、人間関係。家族、近所づきあい、町内会、サークルなど様々な人間関係が、重層的になっている。

先生は、地域で活動することの魅力について「あみだくじ」の関係にあると表現されました。地域で活動を始めると新しい人間関係ができるが、活動に消極的な人や足を引っ張る人も出てくる。いろいろな関係で、方向がコロコロ変わり、結果、失敗することもある。地域の活動は、そんなにうまくいくものではない。仕事は、目標を設定したら直線的に進むもの。ところが地域の活動は、直線的に進むわけがない。しかし、協力してくれる人が必ずいる。そこがおもしろいところ。そこが魅力である。そういう認識を持ってもらいたい。

このあと、グループでの話しあい。
 前回、受講生の皆さんに記入していただいた「これからしようと考えている活動」について、もう少し具体的に考えていきました。
①活動のテーマ②どうやって一緒に活動する仲間を募っていくか。③仲間と一緒にまず何をはじめるか。
それぞれ紙に書き、グループ内で発表し、どうしたらうまくいくか、知恵を出し合いました。
 そのあと、各グループで発表者を決めて、話し合ったことを報告しました。
 青年活動の活性化、環境美化、子育て支援、青少年育成、高齢者支援、里山保全、地域の繋がりづくりなど、発表されたさまざまな活動には、それぞれ皆、想いがこもっていて、ほとんどの方が、すでに活動を始めていることがわかりました。また、仲間を増やすことのアイデアや苦労を共有することもできました。
 先生からは、「どのグループの発表も、プレゼンテーションの技量が高い」とのお褒めの言葉をいただき、「どの内容も、地域に根ざした現実的なもの。」「同じ目的でグループ編成を考えていたが、それぞれが、いろいろな考えを持っていて、難しい。まさしく地域の関係です。」との指摘がありました。

最後に、ボランティアとは何か、ボランティア活動の輪を広げるための知恵を授かりました。
 ボランティアは、その語源が、「火山」「噴火」にあるように、心の中から湧き上がってくる自発的な意思によるものです。他人のために活動することによって、①人との出会いや心の繋がり②生涯学習にも繋がる新しい世界の発見③感謝される喜びなどお金では買えない報酬を得る。
しかし、人間関係をめぐるトラブルや家族とのトラブル、自己の生活との調整などのリスクも抱えています。
 では、活動の輪を広げるためどうしたらいいか①仲間同士本音で話せる良い人間関係を作ること②楽しい時間を共有すること③人に頼む前に自ら動くリーダーシップ、一歩踏み出す勇気④活動成果をオープンに、失敗しても前向きに⑤我慢し続けない、別れたり中断したりする勇気
 地域で行う活動は、仕事と違い、それができる。発展的解消や独立も否定的に考えず、地域には、いろいろな側面があり、かえって活動団体が増え、地域全体が豊かになると柔軟に考えた方が良い。と心強いアドバイスをいただきました。

【投稿者 南房総市公民館
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