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南房総市公民館 ニュース

2011年2月16日
生涯学習活動推進講座スタート
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名刺交換ゲームの様子(中央やや左こちらを向いている方が笹井先生です。)

 地域における生涯学習活動に必要な技量や資質を養成する「生涯学習活動推進講座」が2月11日(金)市内三芳農村環境改善センターを会場にスタートし、第1回は、市民30名が受講しました。
 講師は、国立教育政策研究所 総括研究官の笹井宏益(ささい ひろみ)先生。
 同研究所は、文部科学省所轄の教育に関する総合的な政策研究機関です。
 笹井先生が、全4回にわたり講師を務められます。
 笹井先生から、挨拶の中で、今回の講座の趣旨の説明がありました。「南房総地域で頑張っている人たちが、多くの人々を仲間にして、実際の地域の生活に生かして、もっと住みやすくしていくような講座にしたい。その知恵やポイントを実体験しながら身につけていただきたいことから、皆さんで、話し合いや作業をしていただきます。」
 講座に入り、はじめに、5、6人のグループを作り、それぞれ自己紹介をしました。その方法は、ユニークで、自分で書いた紹介文を左隣の人に読み上げてもらい、そのあと本人が補足説明する他己紹介というゲームです。各グループとも会話が弾み、和やかな雰囲気で講座が始まりました。
 次に、先生は「公民館の歌」のCDを流しました。この歌の歌詞は、昭和22年に全国公募され、1,000件を越える応募の中から選ばれた館山市在住の故山口晋一先生の作品です。50年を経た現在でも、公民館職員に歌い継がれています。
 そして、歌詞の中に表されているキーワードは何か、受講生に問いかけました。キーワードは、「郷土」と「集い」という言葉です。「地域における社会教育は、皆が集って一緒に何かをしようとすることが大事であり、ここから新しい価値や文化が生まれる。そのための場所が公民館である。人と人との関係が希薄になりつつある現代社会こそ、社会教育の原点を見直すことが重要である。」と話されました。
 続いて、社会教育や生涯学習の実践により、地域づくりが成功している静岡県三島市の事例の紹介がありました。
 市民・企業・行政が協働のもと、古くからある地域の8団体が「美しい水の都・三島の再生」という目的で組織した「三島グラウンドワーク」のボランティア活動により、まち全体が美しく生まれ変わり、子どもたちにも良い影響を与えています。「三島グラウンドワーク」では、英国の手法を導入し、「環境」という大きな切り口で、それぞれ得意とする役割を分担して、川の水質浄化など、これまで100以上の活動プロジェクトを実践しています。各団体の代表者同士による全体合意のための協議やプロジェクトごとの中核スタッフ会議など、意思決定の過程を重視して話し合いを頻繁に行い、信頼関係を構築しているとのことです。
 先生は、この事例を通して、皆が地域づくりを実践していく上で必要な方法や成功の秘訣などを詳しく説明しました。
 特に、グループで活動していくポイントとして、①誰もが共感するミッション(社会的使命)を提示すること。②個人で本から得る知識よりも、仲間同士でコミュニケーションすることにより得た知識の方がはるかに大事であること。③相談や教え合いなど議論する時間を共有することで、信頼関係が生まれる。などを挙げ、『語り合うことにより得られた情報や知識は、他の方法では決して得られない生活に役立つ貴重なものであり、且つ、ここから新たな気づきや、新しい価値が生まれる。これこそが生涯学習です。』と話されました。
 それから、自分の信条を書いた紙片を参加者同士で交換する「名刺交換」のゲームや、これから地域でしようと考えている「活動シート」を作成する作業などを行い、最後に「学校教育」と「成人学習」の違いについておさらいをして講座は終了しました。
 第2回は、2月19日(土)に開催されます。

【投稿者 南房総市公民館
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