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富浦エコミューゼ研究会 ニュース

2012年9月10日
№241ウォッチング古刹・延命寺を訪ねて
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16幅ある絵図の説法を聞く

9月のウォッチングは、安房地域では曹洞宗の名刹・三芳本織の延命寺を訪ねました。
延命寺は里見氏の菩提寺であることでも著名です。永正5年(1520)に里見実堯が中興しました。里見実堯、義堯、義弘の墓所とされていて、五輪塔や宝篋印塔が並んでいます。また、忠義の子孫の供養塔や遺髪塔なども建立されています。
もちろん延命寺と言えば「地獄極楽絵図」です。今回も昆住職さんにお願いし、複製の絵図を公開してもらい、絵解き説法をしていただきました。
延命寺の地獄極楽絵図は、228年前の天明4年(1784)に描かれました。当時は飢饉で人々は苦しむばかり。教育の場もない中で、人の生き方や善悪の判断を教えるためにこの絵が描かれたそうです。
地獄極楽絵図は「十王図」とも言われています。人は亡くなったあと、初七日から四十九日、百か日、一周忌、三周忌まで十王と呼ばれる10の王に裁きを受けるそうです。
七日七日に生まれ変わり、四十九日にはどの世界に生まれ変わるかが裁かれます。
天上と呼ばれる仏さまの世界に行けるよう、四十九日までの供養がとても大切にされるのはここからだそうです。
ご住職からは、「極楽浄土は人の心の中にあります。世の中が良くなるのは人次第。」とお話がありました。そのための6つの行いも聞きました。
人に心と物を施す「布施」。教えや約束を守る「持戒」。困難にも我慢する「忍辱(にんにく)」。たゆまず努力する「精進」。静かに物を考える「禅定(ぜんじょう)」。頭を働かせる「智慧(ちえ)」。この6つの行いを「六波羅蜜(ろくはらみつ)」と呼ぶそうです。
参加者の皆さんは、特別に開いていただいた時間に感謝をしながら、寺内を散策しました。

【投稿者 富浦エコミューゼ研究会
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