平成25年度最初のウォッチングは春の大房岬を散策しました。
例年であれば遅咲きのソメイヨシノを楽しむ時期ですが、今年はすっかり葉桜となりました。そのかわり運動広場の八重桜は満開でした。
爽やかな青空と春の陽気が、歩く時間をやさしく癒してくれる中で大房の歴史遺産を巡りました。
東京湾の入口に位置する大房岬は、首都防衛のために江戸時代から重要な役割を果たしてきました。
幕末に整備された砲台は、実は黒船来航前から捕鯨のために開港を迫られ整備が始まったようです。それからペリーが現れ、本格的な整備がされたそうです。残された絵図には、13門と14門の絵があります。太平洋戦争では要塞群としての工事が行われ、砲台跡や弾薬庫、探照明燈格納庫など、たくさんの戦争遺跡が残されています。
もう一つの大房の歴史は信仰の歴史です。1300年以上の前に役小角(えんのおずぬ)が不動明王を安置したことから始まり、その150年後に慈覚大師が竜善院を建立した話などを紙芝居により使い聞きました。
役小角が閉じ込めた海賊の子孫・青い衣を着た童女が、慈覚大師のお経により呪縛から解き放たれ、金の竜になって天に昇り、その時にできたと言われる弁財天の洞くつにも入ってみました。
そして、この日は潮がタイミングよく引いたので、増間島に渡りました。めったにないチャンス。参加者の皆さんも「ぜひ渡りたい」と岩場を一生懸命渡って行きました。
増間島に渡った参加者は、そこから眺める春の海を満喫していました。大房の海は透明度が抜群。ひじきが波に揺れているのもこの時期ならでの風景です。南の水平線には大島の姿も見えています。ガイドからは増間島の名の由来となった昔話を聞きました。
春の大房は本当に素敵な癒し空間です。