房州舫は、この震災を機に、
もう一度命の大切さや人々のつながりの大切さを考えてみよう、
という気持ちから発せられました。
房州にお住まいの方々、房州に関わりのある方々、
その個々人のつながり、そのものが房州の舫です。
舫(もやい)とは、
船と船を繋ぐもの、ともにはたらくもの、というような意味があります。
ここで出会った人々が、
それぞれ、様々な場所で新たな舫を創り上げること、
そんな願いを込めて名付けました。
海に囲まれ、海から多くの恩恵を受けて育った房州の人々が、
既にこの「もやい」という言葉さえも忘れています。
言葉の風化とは、まちの風景の風化、そして心の風景の風化でもあります。
「もやう」というこの美しい日本の言葉と、その意味を、
これからの行動を通して、皆さんとともに考えてゆきたいと思います。
そのような行動をおこすことが、
今回失われた、ひとりひとりの命を忘れないことだと、そう思っています。
その第1歩として、
南房総市長をご招待しまして、
「南房総市の津波対策」に関してのお話をお願い致しました。
副題は<津波てんでんこーその前に、みんなで考えよう津波対策>です。
津波てんでんこ、とは、
津波の時はてんでんに、各自ばらばらで逃げろ、
自分の命は自分で守り、一族が亡びないように、
そしてたとえひとりだけが助かっても、決してそれを非難しないように、
といった、何度も津波の被害にあった東北の人々の教えです。
最終的にそのような厳しい判断をするために、
今わたしたちがすべきことは何か、
そのことをみんなで考えよう、ということで、
皆さんに集まって頂きました。