5月のウォッチングは、現在、国指定史跡を目指して調査・申請をしている富浦・豊岡地区の岡本城跡を探訪しました。今回は、南房総市教育委員会の学芸員・麻生先生にお願いして、これまで調査した内容などの説明も含め、ガイドをお願いしました。
先生の話を聞けるとあって、当日は40名からの参加者となりました。現在の大泉学園の臨海寮の脇を通るコースで岡本城へ登りました。
岡本城跡は、これまで昭和60年度、平成19年度と発掘調査が行われ、主郭の部分には物見台的な建物があったと想定されているようです。周辺からは銭貨やカワラケ(素焼の土器)などが発見されたそうです。
岡本城の歴史的な意義は、里見氏は江戸時代に入ると間もなく館山に本拠を移しました。つまり、岡本城が城郭としての役割を果たしたのは四半世紀に満たないそうで、それだからこそ、戦国末期の城郭、戦国大名クラスで、かつ海に囲まれた安房の城郭の特質が典型的に残っている稀有な城郭跡といえるそうです。
こうした調査のもと、地元の皆さんの同意もいただきながら夏までの申請を目指しているそうです。
参加者の皆さんは、昔の情景を思い浮かばせてくれるような先生の説明に、熱心にうなずきながら聞き入っていました。
これからも、地域の宝・岡本城跡を、地元の皆さんとともに守り、語り継いでいけたらと願っています。