6月のウォッチングは、知らない道シリーズ。富浦の仲尾沢と三芳を結ぶ林道は2本。上滝田に抜ける林道仲尾沢線。そしてこの日歩く林道奥山仲尾沢線は、上堀を結ぶ約5キロの道のりです。
八束地区で最初にできたという西洋式の仲尾沢のトンネルを抜けると、二つの林道が分かれます。右手に廻るのが奥山仲尾沢線です。この先をしばらく進むと七曲と呼ばれる急坂のある山があり、そこには金毘羅様が祀られており、昭和30年頃まではとても賑わっていたそうです。
舗装されている林道はとても歩きやすく、やがて、深い谷と尾根を見渡せる道に出ました。林道ならではの山深さを感じさせてくれる風景です。
6月に入り、新緑の緑は深みを増してきました。小鳥たちもさえずっています。時折抜ける風が、汗ばむ頬にとても気持ちいいです。
しばらく行くと谷の下から伸びるホルトノキが、その背の高さを見せびらかすように立っていました。名前の由来はポルトガルからきているというホルトノキ。富浦地区では宮本城址の近くに樹高19メートル、樹幹の根回りが約5.1メートルの木がありますが、それらを含め、富浦の中では3本の指に入る大樹ではないでしょうか。
木々を眺めながら歩いていると、葉がクルクルと巻かれた木を見つけました。その枝の葉は何枚かがクルクルと巻かれ、ぶる下がっているように見えます。それは「オトシブミ」という甲虫が作る揺りかごだそうです。オトシブミはゾウムシの仲間。揺りかごに産卵し、幼虫時は中の葉を食べて成長し、サナギとなり羽化するまで揺りかごの中で暮らすそうです。
道は下り坂が続き、最後は上堀の堰までたどり着き、帰りのバスに乗り込みました。