10月のウォッチングは、平成の大修理が終わった館山市船形の崖観音、隣に建つ諏訪神社、そして船形学園の磨崖碑を探訪しました。
「崖観音」の名で親しまれている大福寺の観音堂。大修理が完了して7月から一般公開が始まり、ようやくエコ研プログラムの日がやってきました。
崖観音は養老元年(717年)に行基により摩崖仏として造られたとされています。
駐車場から朱塗りの観音堂を仰ぎ、大福寺本堂や南無大師遍照金剛塔などの案内を聞き、観音堂への石段を登ります。
まずは舞台から鏡ケ浦の景色をしばし楽しみ、堂内へ。摩崖仏の十一面観音に手を合わせ、新しく描かれた鮮やかな天井絵に目を奪われます。
一新された観音堂を後に、船形地区の氏神様である諏訪神社へ。向拝の彫刻は後藤義房によるもので、大正15年の作だそうです。境内にある狛犬は、安房の三大名工の一人、田武田石扇の作です。ここでは、参加者の方から解説をしていただきました。
急傾斜の階段を下り、さらにお隣の船形学園に。学園のご配慮により施設裏の山に造られた磨崖碑を見学させていただきました。
この磨崖碑は、明治維新後の大実業家でありながら、社会福祉事業にも献身的に手を差し伸べた渋沢栄一男爵が、船形学園を建てた記念碑として建てられたものだそうです。
碑の高さは10m、幅は6m、一文字の大きさは30cm四方という大きさです。
参加者たちは普段は入ることのできない貴重な見学をし、偉人の話を聞きました。