7月のウォッチングは、富浦・南無谷地区の小さな漁村に残る信仰の場を訪ねました。
南無谷地区は海岸線が入り込み、南無谷、石小浦、小浜と、小さな港が3つあります。海で暮らす地域にはそれぞれ安全と豊漁を祈るための信仰の場が残され、今も地元の人々の手により守られています。
最初に向かったのは、南無谷海岸の北側にある竜宮様。海岸道路から少し登り高台へ。斜面にはスカシユリがたくさん咲いています。その高台に小さなお宮が建立されています。南無谷漁港から富浦湾が一望でき、海を見守っていることが伝わります。
次に向かったのは、竜宮様から少し山側に入ったところに、海を鎮め人々を救う浪切不動尊がお祀りされています。
以前は海の見える場所にあったそうですが、ある年、ご機嫌を悪くされ、毎日のように海を荒らしたため、今の枇杷山の中にお祀りされたそうです。今回は地主さんのご協力をいただき見学させていただきました。
お堂は岩を掘り、8帖ほどの広さを持ちます。お不動様は身の丈40センチほどの石像です。脇侍を従えた立派なお堂です。今でも毎月28日に地元の人々がお籠りをし、海の安全を祈っているそうです。信仰心の厚さを感じさせてくれます。
この日は、このあと強い雨に見舞われ、石小浦の港を上の道路から望み、横穴を掘ってお祀りされている金毘羅様や江戸時代に使われていた鯛の天然イケスなどの話を聞き、帰路につきました。