10月の土曜学校は、民話の舞台を訪ねて、富浦・南無谷地区の七面大天女様の物語を聞きに行きました。
国道から細い道を東に入ります。柿の木が秋の気配を感じさせてくれますが、子ども達にとって秋を感じさせるのは野草達です。「ねこじゃらし」ことエコノログサや「ひっつき虫」のオナモミ、センダングサの仲間たち。自然の遊び道具を体感です。
七面山に登る山道は、急な階段の男道と緩やかな坂道の女道があります。この日は女道のつづら折れを歩きました。
お堂前の広場で一休み。すると、燈籠の周りにミツバチがたくさん飛んでいます。良く見ると燈籠の石の隙間からミツバチたちが出入りしています。なんと、燈籠を巣にしていたのです。普段は近くで見ることのできないミツバチを子ども達もしばらく観察。
お堂前のベンチに座り、この七面山にまつわる「七面大天女」の紙芝居を聞きます。
七面大天女様は、昔のインドの神様で、白い蛇の化身とか、竜の化身とも言われています。また、日蓮宗の守り神と考えられていて、南無谷の妙福寺が建てられたときに、近くに七面大天女様も祀られたそうです。その後、新たにこの山に七面堂が建てられて引っ越したそうです。竜の化身の七面大天女様は、この七面山の上から里の村人たちを守ってくださっています。
お話しの中で、「七面大天女様は、法華経を信じる人たちの願いを聞き届けてくれる。」という場面がありました。子ども達に、「願い事をするとしたら何をお願いする?」と問いかけると、「お金がほしい。」と言う子、そして「戦争がなくなってほしい。」と言う子もいました。平和な世界を願う子どもの心は純真だと感じます。
七面山を降り、ガマズミやカラスウリ、アケビなど、たっぷりと秋を感じながら南無谷から豊岡へ抜け、星山の薬師様に手を合わせて帰りました。