ススキの穂が秋の気配を感じさせてくれる季節となった今回のウォッチングは、街中歩きシリーズとして、多田良地区のつなぎ森から釈迦寺、瀧淵神社を巡りました。
つなぎ森は、多田良・岡地区にあります。国道127号バイパスが走り、その姿は「森」と呼ぶには小さなエリアになってしまいました。それでも、森の脇を流れる岡本川から眺めると、少し大きな木が残り、森の名残が感じられます。
つなぎ森の名前は、いろいろな説があるようです。ちょうどこの場所が多田良地区と岡本地区をつなぐ場所として、また、青木地区にもつながる道も延びていることから、つなぐ森だったのでしょうか。また、富浦の昔話には男女の仲を取り持つ、縁つなぎのありがたい場所として、いつしか、つなぎ森となった民話なども残っています。
街中歩きはちょっとした発見を味あわせてくれます。旧道の小道を歩くと、大房から切り出した石を使った石垣を持つ民家を見ることができます。その先の民家の庭には金木犀の花が咲き、とても良い香りを漂わせてくれています。
釈迦寺に着くと市の天然記念物にも指定されている槙の巨木があります。樹齢は900年以上と推定されていますので、平安時代から多田良の地を見つめてきたのでしょう。
瀧淵神社についた一行は、この神社が大房から移ってきた歴史を記した紙芝居を、神社の階段に腰掛けながら聴きました。
その後、西浜の海岸から凪の鏡ケ浦を眺め、秋の空の下、ゆっくり、のんびりと帰路につきました。