18年2月12日
2/3 市民環境学習会の実施報告
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2月3日(土)13時30分から千倉保健センター機能訓練室に於いて南房総市環境保全課とNPO法人南房総エコネットの共催による平成29年度市民環境学習会が「南房総の今の自然環境を学ぼう!」のテーマで開催された。
参加者は35名。
まず、NPO法人南房総エコネットが、市内主要8河川の水質調査の2015年2月〜2017年11月の3年間の結果を報告した。
得られたデータに基づき、分析した結果は以下の通りである。
(1)硝酸態窒素で長尾川、瀬戸川、川尻川、岩井川を除く各河川が、リン酸態リンで川尻川がすこし良くなった以外は、3年間ほぼ変わりなかった。
(2)PHとDOはいずれも問題がない。
(3)COD、アンモニウム態窒素、リン酸態リンは多くの川がやや汚れていたか、または汚れていた。
(4)丸山川上流が一番きれい、逆に三原川と岡本川の上・下流、および丸山川の下流は汚れが目立つ。
(5)上・下流の差は、丸山川以外あまりない。
(6)季節の差は顕著でないが、5、8月が2、11月よりやや汚れが大きくなることがある。
当会が今後もこの調査を続けて市内河川の水質の監視を行うとともに水質保全に努めていくことを語って終わった。
続いて、安房生物愛好会の小林洋生さんに「南房総の外来生物」と題して、“気がつけば外来生物がいっぱい”という、南房総地域の外来動植物の状況について話してもらった。
それによると、
南房総で見つかっている外来生物としては
(1)アカゲザル−旧白浜町全域、旧千倉町の白浜沿いの山地、館山市の神部、神余地区で発見。白浜のある施設で飼っていたものが逃げて繁殖した。
(2)アライグマ−館山市神戸地区で2014〜15年に9頭捕獲された。
(3)イノシシ−南房総市でも多く出没、農作物の被害も大きい。
(4)カメツキガメ−館山市と南房総市で2006.8〜2010.6迄に10頭捕獲されている。館山市上真倉で繁殖している可能性がある。
(5)ハクビシン−特定外来生物ではないが、農作物の被害が大きく、害獣として駆除される。
(6)ミシシッピーアカミミガメ(ミドリガメ)−肉食性強い種で、小魚や水生昆虫、エビなどを食べる。ペット用に輸入されたものが捨てられて繁殖、日本の池や沼でも増えた。そのためにニホンイシガメやクサガメなどの日本産のカメ>のすむ場所が少なくなっている。
(7)オバケタニシ−大網白里町の田んぼに一面、オバケタニシの卵があった。一体、どれくらいのオバケタニシがこの田んぼにいるのだろうか?
(8)ナルトサワギク−日本では1976年に徳島で初発見、千葉県では2007年に館山市出野尾で初めて発見された。南房総市沓見の埋立地と館山市大井の残土処分場では数万から100万本以上に大発生した。2011年以降、安房生物愛好会は環境省からナルトサワギクの駆除団体として認定され、継続して駆除している。これまでに参加した人数は延べ1,500人。その結果、現在の発生数は極めて少ない状態であり、この2地点以外は完全に駆除できている。
(9)メリケンソウ−丸山中(現嶺南中)のグランドで2013年に初めて発見された。学校の校庭や公園での発生が目立ち、館山二中、館山三中、館山中央公園、南総文化ホール、館山駅西口ロータリー、大房岬公園等の芝生の中にも発生する。
このような興味深い話を写真と共に紹介していただいたが、参加者から「もっと聞きたかった」との声があった。
終わって寄せられたアンケートによると、「安房地区でこんな活動をしているのを知れて良かった」「外来種の具体的なことがよくわかった」などの感想が寄せられ、お役立ち度や満足度で高い評価が得られた。

【NPO法人南房総エコネット】

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